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ずっとここで紹介したかった住宅の写真が、
Iwan Baanという写真家のサイトにありました。
<Iwan Baan  Sou Fujimoto House N>

家ということ、家という概念を拡張するのは、とても楽しい。
建築家がそれをやるのを見るのも、楽しい。
特に最近は若手を中心にそういう傾向が強くなって、
いろんな形、いろんなシステムの住宅がたくさん発表されている。

藤本壮介の「house N」は、その中でも突き抜けて「家ということ」を拡張してる。
なんというか、原広司の「集落の教え」の中で出会う驚きに近い。
だけども決定的に違うのが、それが国籍不明で住所不定な感じ。
西澤立衛の森山邸で感じるような、
「枝葉が伸びていく『モデル』のわくわく感」を感じないのは、そのせいかもしれない。
「あー、これでいいんだ!」っていう気持ちよさと、
「これでいいのかな。」っていう疑問の、両方を強く感じる。

ここまで針を振り切った住宅を見ると、やっぱり楽しくなる。
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tokyo.jpg

石川初さんというランドスケープデザイナーがいます。
僕は知らなかったのですが、この人に関する面白い記事がPingMagに出てました。
http://pingmag.jp/J/2008/09/29/tokyo-topographies/

この人、東京を色んな切り口でマッピングしてるんです。
地形の高低差だったり、地下インフラだったり、道路標識だったり。
都市をいろんなレイヤーで見るのはとても楽しい。
そういえば、古地図を見ることができるサイトがあったけど、どこだったかな。。。
古地図もそうだけど、どんなレイヤーに現れてくる絵も、
必ず今の風景や街の姿とつながっている。
東京の現在の姿と、縄文時代の地形とがつながってるなんて、楽しいじゃないですか。

ちなみに上の写真は、Flickerでダウンロードした東京のHDR写真。
このHDR(High Dynamic Range)っていう手法、ちょっとしたトレンドになってるみたいです。
PingMagにも記事がありました。
http://pingmag.jp/J/2006/04/13/10-pictures-of-tokyo-gotham/
同じアングルから露出を変えて撮った何枚もの写真を重ねると、こういう不思議な写真になるそうです。
teema.JPG
うちの会社は木造一軒家で、目の前に車がギリギリすれ違えるくらいの道路がある。
いい感じに閑静な住宅街で、車通りは激しくない。

最近よくやるのが、その道路のガードレールに座って、マグカップでコーヒーを飲むこと。
普段自分のデスクや喫煙スペースで飲む「マグカップのコーヒー」を、道路で飲む。
これがとても新鮮。
紙コップとは違う。庭で飲むとかとも違う。
ガードレールでマグカップ。
写真は愛用の、ittalaのteema。

マグカップっていうのは、すごく屋内的で私的なアイテムだと思う。
落とせば割れちゃうから屋外向けではないし、誰とも共有しない自分専用のもの。
会社で人のマグカップには触れにくいですよね。

そういうアイテムをパブリックなとこに持ち出すと、とたんにその場所がプライベートな空間になる。
すぐ目の前を車が通ったり、猫が歩いてたり、工事現場の音が聞こえたり、
後ろに子供を載せた自転車が通ったり、、、
僕のマグカップの不相応さを一切意に介さず、公の日常がのどかに展開されてる。

あー、学生の時に、親が作ってくれた弁当を天気のいいベランダで食べる感覚に、ちょっとだけ似てるかも。

文京区本郷、東大のすぐ近くに「求道学舎」っていう築80年の分譲マンションがあります。
実はそのマンション、もとは80年前に東大生の寮として建てられ、
最近リノベーションされて生まれかわったもの。

kyuudou1.jpg

建物自体の設計は武田五一によるもので、日本最古のRC造集合住宅とも言われています。
当然、リノベーション前は、半分廃墟の様相だったわけだけど、
それがこうして生まれ変わるには、たくさんの壁があるわけです。

日本で、古い建物を保存再生しようとした時、弊害になる負の仕組がたくさんあります。
たとえば相続税や土地神話、行政の支援システムの弱さや、建築法規のガチガチ具合、などなど。
実は保存再生のための技術的な問題なんて、それらと比べたら小さい。

で、この建物は幸福にもそういった壁を乗り終えて再生されたわけだけど、
その再生日誌という形で書かれたのが下の本。
学芸出版社から出てる「求道学舎再生」。
この建物の80年の歴史や、
よみがえるキーになった「コーポラティブ方式」と「定期借地権」という2つの不動産システムの話や、
築80年の建物に施した工事の内容、苦労、ドラマ、
11の住居の設計についてや居住者の生活模様、などなど盛りだくさん。
建築やってる人にもそうでない人にも、おすすめです。
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僕が今日ここで書きたかったのは、
再生にあたって設計・デザインをした近角さんという建築家が、
何を一番大事にして設計を進めたかということ。
日本近代建築史を代表する建築家武田五一が設計し80年の年月を生きてきた建物を、
どういった思想のもとに生まれ変わらせたかということ。

それは、「どうやったら、この建物がよろこぶか」、ってことなんですねー。
すばらしい。
僕は、古い建物に何かを施すときには、絶対にここを軸にスタートしなきゃいけないんだな、と感じた。
何より大事なことだな、と。

こういう考え方は、とてもステキだと思う。
リノベーションや建築などに関わらず、何をするにおいても。
どっかの場所に建物を建てるなら、その場所がよろこぶように、
料理をする時には、野菜や魚がよろこぶように、
車を運転するなら、車がよろこぶように、、、
身の回りのモノは、そのモノがよろこぶように使う。
たとえば自分の体に対しても、体がよろこぶごはんを、体がよろこぶ生活を。
仕事も自分の気持ちがよろこぶように。これはなかなか難しいけど。
こうやって意識してると、それだけで、毎日が豊かになると思う。

仕事で浅草に行ってきました。
3年ぶりくらいかな。
当時は浅草寺くらいしか行かなかったけど、昨日は広く浅く歩くことに。
そしたら、浅草、変!
変というか、不思議というか、珍妙というか。。。
1dc14f1b.jpeg
浅草はなぜか微妙に古い建物が多くて、浅草寺の南側にはぽつぽつ近代のものも残っている。
全体的に、東京の他の地域に比べると、更新が遅い気がしました。
道幅と建物とのバランスも不思議だし、
風景が東京じゃなくて地方都市の雰囲気。
写真は、緩いカーブに沿って建つなんでもないビル。
でも、ぺっこっと折れてる形になんの意図も感じられないおかげか、
妙にスカイラインが美しくて撮ってみた。

で、やばかったのが浅草寺の西のエリア。
ea11e32c.jpeg
上の写真は参道に近い場所なので、ほのぼのした気持ちで通り過ぎてたんだけど、
さらに進むと、下の写真。
場末というと語弊があるけども、独特の雰囲気。
住宅と店舗(飲み屋がほとんど)の機能の境目があいまいで、
昼の顔と夜の顔の境目もあいまいで、
雰囲気がポジティブなのかネガティブなのか、もう何がなんだかまさにカオス。
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禁断のご近所エリアに足を踏み込んだ感じで、「早く出なきゃ」って気分になった。
ここから先に進むと、はなやしき遊園地があるんだけど、
その向かいには成人映画専門の映画館があったり、競馬の馬券売り場があったり、
でその三角地帯みたいなところに普通にマンションが建ってたり。もう奔放。

浅草寺は東京都内最古の寺院で、10世紀にはすでに現在の姿に近かったそうです。
江戸時代後半には、仲見世に近いものができて、庶民の娯楽の中心だったよう。
周辺には今もたくさんの小さいお寺があって(でも見た目じゃわかんないお寺がほとんど)、
街の育ち方としてはとても特殊なんだろうなあ。
最初に書いた「更新の遅さ」っていうのも、その成り立ちから来てるんだろうし。
観光、娯楽、宗教、居住、商売が、未整理のまま渾然一体になってどろどろと育ってきた印象を受けた。
昨日はなんだか妙にショックで、好きな街とは思えなかったけど、
一日おいてこれ書いて、そしたらちょっと魅力的に思えてきた。

ブログのテンプレートについて、一部の方から、
「見づらい」「堅苦しい」「暗い」などの強烈な批判を受けたため、
模様替えをしてみました。少しは見やすくなったかなあ。
またころころ変わるかもしれないけど。
 
ブログのテンプレートってやつは、なかなかしっくりくるものがない。
職業柄なんだろうけど、やっぱり他人がデザインした下敷きに上乗せしてくってのが何とも。。。
知識さえあればいくらでも自分でつくればいいんだけど、いずれ。
 
さてさて、
大学院の後輩で、CAt(小嶋一浩+赤松加珠子)でがんばってる大村君の担当作品が竣工しまして、
今週土曜日にその内覧会があります。ぜひぜひ。僕も行きます。
 
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プロフィール
HN:
寺崎 悠真
年齢:
46
性別:
男性
誕生日:
1978/08/03
職業:
建築設計監理
趣味:
散歩
自己紹介:
一級建築士
寺崎悠真一級建築士事務所 代表
NPO地域再創生プログラム会員
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