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久しぶりに映画を観た。
河瀬直美監督の『萌の朱雀』。
ほんとは同監督の『殯の森』が観たくてツタヤに行ったんだけど、無かったのでこっちに。

1997年に製作されたこの映画で河瀬直美監督は、
第50回カンヌ国際映画祭でカメラ・ドール(新人監督賞)を受賞した。
過疎化する村での家族の生き様〜離散を描いた作品。

台詞もBGMもほとんどない。とても静かな映画。
観客のことなんか考えられてないんじゃないかってほど、
説明不足でモノローグ的。
でキャストはお父さん以外全員素人。
でもこれは監督が意図してるところで、
研ぎすまされた映像や表情や音や、そういうもので深いいろいろが描写されている。
だから、何と言うか、
観終わった後に残るものが、うまく言葉にならない。
作り手と観る側が、すごくぼんやりしたものをやりとりしてる感じ。
だけどこの「ぼんやりしたもの」がすっごくでかいのだ。
僕は、この映画を観終わった後に残ったぼんやりした感覚を、ずっと忘れたくないなと思った。
むせ返るような夏の深い緑、雨の音、村人の顔、家族の無言のやりとり、
ほんと言葉にならないんだけど、この感覚を大切に持っていたいなと思った。
すぐAmazonでDVDがいくらか調べた。手元に置いておきたい。
こんなの初めて。

決して、日本の昔ながらの生活いいなあっていうノスタルジーじゃないし、
家族の離散に悲しく涙するセンチメンタルなものじゃないし、
きれいな映像おしゃれな映像っていうジャンルのものでもない。
監督が描きたかったのは、家族の大切さとか過疎化問題とかそういうのじゃなくて、
「人と人」とか「生と死」とか「時間」とか、そういう次元の、何と言うか。。。
好き嫌い別れるのでみんなにオススメってわけにはいかないけど、
オススメです。

観る人は、
あらすじと家族構成を知った上で観た方がいいです。
ちょっとわかりづらすぎる。
ここで予告編観れます。
http://www.kawasenaomi.com/ja/works/feature_film/post_14/

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最近、夜ちょっと時間がありそうな日の帰り道に、映画を借りてくる。
こういうムーブメントが定期的にくる。

さっき、『チェンジリング』を観た。
レビューでも書こうと思ってこうやって書き始めたんだけど、
やっぱり僕は映画批評みたいなのは難しい。無理。
だけど、書こうと思ったのは、良かったから。
とても良かったです。

最近観たのでは、『ザ・セル』もよかった。
これは前に同じターセム監督の『落下の王国』を観てそのことを書いた時に、
友達に勧められた映画。
この人の世界はほんとに独特。ジャンルが不明。
僕はその夢にでてきそうな独特っぷりが好きで、DVD買おうかと思ってる。
「良かった」と「好き」は少し違っていて、
ターセムの映画は好きだ。

タクシードライバー』も良かった。
僕はいわゆる名作ってものを食わず嫌いする傾向がある。
それは映画に限ったことではなくて、
夏目漱石も三島由紀夫も太宰治も、あまり読まない。
みんなが好きなものを好きになっても面白くない、っていうただのあまのじゃくだと思う。
だからプロ野球はオリックスファンだったし、Jリーグはサンフレッチェが好きだった。
どっちも、ユニフォームの色で決めた。
まあそんな感じの無意味な食わず嫌いを打破してみようと借りたのが、
この『タクシードライバー』。
すごく良かった。最近観た中で一番良かった。
反省して、今日は『ゴッドファーザー』を借りてみた。

良かった映画を、「良かった」以上に語るのって難しい。
建築や音楽や本の話はまだできるけど、何で映画ってできないんだろう。
”詳しいかどうか”とは少し違う気がする。
なんだか、自分の言葉にしにくい。

最近東京はいやな天気が続いている。
雨が多くてじめじめしている。
昨日はソファで寝てしまって、朝方寒くて目が覚めた。
足がびしょ濡れになってた。
足元の窓が全開になっていて、そこから大粒の雨が吹き込んでた。
足がほんとに、びしょ濡れだった。

写真は内容と全然関係なく、
七尾(石川県)の旧市街にある、老舗の文房具屋さん。
窓の形が、万年筆のペン先になってる。
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最近、「あ、今日は夜ゆっくりできそう」って日にDVDを借りる。
だいたいそういう日は一仕事片付いた日で、ちょっとしたご褒美。

で、この前観たのが『落下の王国』。
観た人います?
いろんな人に「これ観たいんだ」と話しても、誰も知らない。
確か去年の秋頃に公開された映画で、予告CMですっかりやられて、
観よう観ようと思ってる間に終わってしまった。
最近レンタルが始まったことを知って、満を持してツタヤに行った。

わくわくして向かった新作コーナーでお目当てを発見して、ビックリ。
なんてださいジャケット!
むせ返る程にたちのぼるB級感に、ちょっと借りるのを戸惑った。

が、良かった。
僕は映画フリークではないけど、久しぶりに「あー、良かった」って満足した映画。
24カ国の世界遺産で撮影が行われた映像美、石川瑛子による独特な衣装が、
不思議な世界をつくっています。
概要はこちら(オフィシャルサイト)

ちなみに、これの前に観た『迷子の警察音楽隊』も良かった。
迷子になった警察音楽隊のお話です。
ほのぼの気分になりたい人にオススメです。

下の写真は、『落下の王国』にも登場するモロッコの青い街、シャウエン。

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先日ここで紹介したエドワード・バーティンスキーの映画「いまここにある風景」を見てきた。 
少し特殊な映画で、写真家である彼の作品と思想についてのドキュメンタリーという形式をとっている。
この映画の撮影にあたって主な舞台に彼が選んだのは中国。
中国の驚異的な産業発展とその背景にあるものを撮影しながら、
産業発展の恩恵を受ける人々の立ち位置、食物連鎖のような貧富のループなどについて、
彼の思想が語られる。
そして何より圧倒的に美しい数々の写真。
 
僕がとにかく感じたこと、音や言葉の少ない87分を観ながらずっと考えてたのは、
「現実っていうのはほんとに見えにくい」ってこと。
現代社会ってところは、現実に触れずに表層だけをきれいに滑って生活していくようにできている。
現実にさわれない。
今僕達が生活している毎日は、実は目に見えない様々な「現実」の上澄みで、
ともすれば「フィクション」「フェイク」って表現する方が適切だとさえ感じた。
 
今僕が文字を打ち込んでいるキーボード、横にあるマウス、その横にあるお茶のペットボトル、サインペン、
全部プラスチックだ。今日僕が会社に来たバイクはガソリンで走る。アスファルトの道路を走ってきた。
服を着て靴を履いている。みんな、石油でできている。
その石油を運んできた巨大なタンカーは、全てじゃないけど、バングラディシュの解体場に運ばれる。
そこでは貧しい人々が手作業で解体し、青年が肩まで原油に浸かりながら作業をしている。
また、パソコンなどの基盤は貴金属が多く含まれているけど、
中国の貧困層の人々が、それを石でつぶしてばらばらにして仕分け、収入を得ている。
一方都市部で、その基盤をロボットみたいにすごいスピードで組み立てる女性工員。
強烈だったのが、世界最大になる三峡ダム建設のために水没する村。
ここに住んでいた何万の人々は、他所に住居をあてがわれ、
そして、ダム建設企業に雇われて住み慣れた街を自らの手で解体している。
ほんとにこの光景は廃墟じゃなくて戦場のようだった。
 
今の中国は、産業発展の縮図みたいなものだ。日本も含め多くの先進国は似たような場所にいる。
ただ中国には、その爆発的なパワー、表と裏のギャップ、成長のあまりの早さによって、
産業発展の明と暗がものすごいコントラストをもって凝縮されている。
そしてそれが、現代社会の「現実」で、当然僕らの毎日もその上で流れてる。
 
とても不思議な感覚でもあった、今の毎日をフィクションだと感じることは。
妙な不安と焦りを感じた。

これと共通する話を、先日の建築学会賞講演で聞いた。
ふじようちえんの園長先生によると、今の子は「雨が降ると土が柔らかくなる」ってことを知らないそうだ。
マンションのエントランスからお母さんの車に乗り、幼稚園の入口で降りる。雨に濡れずに生活しているのだ。
それに、都市部の地面は舗装されて土がない。
これも「現実が見えない」一つの姿だと思う。
(東京にはほんとに土がない。歩道の植え込みくらい。
「土はホームセンターで買うもの」ってのも、思えばなんだかおかしな話。。。
ちなみに東京23区内には田んぼが3つしかなく、その3つともが研究施設のものだそう。)
 
インターネットでニュースをチェックしたり、色んな本を読んだり…
実はその目的の中には、「現実」に触りたいっていう無意識な欲求があるんじゃないだろうか。
誰もが実は、フィクションの世界で過ごしてるような居心地の悪さを感じてて。
 
-  -  -  -  -  -  -  - 

ぜんぜん関係ないけど、数日前から、口内炎に悩まされている。
しかも、ほっぺたの内側の口内炎①と舌の側面にできた口内炎②がうまいこと向かい合わせになっていて、
ダブルの効き目だ。食べるのも喋るのもタバコを吸うのも、痛い。
つらさを解放してあげようと思って文字にしてみた。

magichour.jpg
 
ちょっと前に、三谷幸喜監督の『ザ・マジックアワー』を観てきた。
もう、すごかった。なんだこれは、と。
すごさに感動して、わけのわかんないとこで臨界点に達して泣いた。
ものすごく緻密で、愛に溢れてて、やられた。
プロの仕事のあまりのプロっぷりに。三谷幸喜のエンターテナーっぷりに。
昔ディズニーランドのエレクトリカルパレードで感動して涙が出たのと、同じ感動だった。
すごい仕事だなあ。
120分(わかんないけど)のパッケージされた世界があって、
何百万人(わかんないけど)もの人がその世界にいっとき入って、わあーっと感動する。
その世界をエンターテイメントとして徹底的に作り上げる俳優、スタッフ、監督三谷幸喜。
海外でもやるのかなあ。やってほしいなあ。
DVD欲しいなあ。もう一回観に行こっかなあ。
 
http://www.magic-hour.jp/index.html (リンク先:東宝公式サイト)
 
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プロフィール
HN:
寺崎 悠真
年齢:
45
性別:
男性
誕生日:
1978/08/03
職業:
建築設計監理
趣味:
散歩
自己紹介:
一級建築士
寺崎悠真一級建築士事務所 代表
NPO地域再創生プログラム会員
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