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『民藝とは何か』柳宗悦
この本、書かれたのは昭和16年です。
それを思いながら読むと、描かれる状況や筆者の危機感が、
今とそんなに変わらないことにびっくりする。
「民芸」って言葉、実はこの人がつくったものなんですね。
高級で貴族趣味の芸術品ではなくて、
民の芸術、ありふれた日用品にこそ真の美がある、と。
そこにもっとみなさん気付きなさいよ、と。
柳宗悦らの民芸運動は、
大きくは19世紀末ウィリアム・モリスの「アーツアンドクラフツ」の流れの先にある。
だけど、アーツアンドクラフツが
「粗悪な大量生産品から職人手作りの工芸品へ」という運動だったのに対して、
民芸運動は、「上流階級が楽しむ美術品から民衆の日用品へ」というものだった。
再評価の対象になったものは、ほんと農家が普段ごはん食べてるお茶碗だったりするわけです。
そのお茶碗は、地元の土でつくられ、名も無い窯で焼かれ、特別でもない絵が描かれ、
そしてガンガン使われる。
そういうものこそ、風土や文化や価値観の表徴だと。
当時の状況はわからないけど、
「民芸」という言葉がここまで一般化したということは、この運動は浸透したのかな。
この本を読んですぐ、ナガオカケンメイを思い出した。
「NIPPON VISION」のプロジェクトなど。
ただこれは、あくまで売り場の視点に立っていて、
地方のロングライフなモノをあるべき形で評価して売って使ってもらって、というもの。
ナガオカケンメイは個人的に大好きでここでは語れないのでまた別のところで。
だけど、ロングライフデザインを正当に評価するということを、
結局日本は民芸運動から70年経ってもできてなかったんだな。
敗戦からの復興という余裕のない状況では、そういう視点の獲得は無理だったのかもしれない。
読み物としては、終始同じ事を熱く語ってるので面白くはないけど、
こういう視点をビシッと持ちたい人にはオススメです。
虫が飛び始めました。ももや梅も、早咲きの桜も、咲いてます。
春だなー。
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