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田村さんの別荘にて、おいしいすき焼をいただいた後に建築系ラジオの収録。
建築系ラジオは、五十嵐さん、松田さん、南さん、山田さんの4人をコアメンバーとして、
podcastで配信されている新しい建築メディア。
これまでに40程の番組が様々なテーマで配信されています。対談形式、レクチャー形式がメイン。
雑誌と違う面白さがあります。聞いたことがない方はこの機会に是非。
で、この日は、「建築系ラジオの今後の展望」「新堀学さんによる安藤忠雄論」などの他、
僕も参加している、NPOの下田での活動についての取材が収録されました。
といっても、飲みながらの適度にゆるい雰囲気。
僕もほんのちょっと喋ってます。
夜通しの建築談義はとても刺激的で濃い。
翌日、まずMOA美術館へ。
ここは某宗教団体が母体の美術館で、潤沢な資金を生かしたコレクションと建築が特徴的。
設計は竹中工務店。
なんだかヨーロッパの美術館みたいな贅沢なアプローチ。だけど内部空間は退屈だった。
それより、思いがけず出会った北斎の富岳三十六景。
ここには全部あった。すごい。
僕はあまり美術作品をちゃんと見る方じゃないけど、これは、一枚一枚丁寧に楽しんだ。
素直に、すごいなー、きれいだなー、と思った。構図も、アイデアも。
しかも1891年の一年間だけで、これだけの仕事をしてる。
このあと熱海を通って真鶴の中川一政美術館へ。設計は柳澤孝彦。
展示空間は特に何ともだったけど、ボールト天井のある廊下がなかなか良かった。
熱海は初めてちゃんと歩いた。海沿いからぐっと高台がせり上がる。
この地形を生かし、風景を楽しむ(それと温泉と。)別荘が昔からたくさんある。
写真は吉田五十八の杵屋別邸。
中には入れなかったけど、このとんがり屋根はかっこいい。
内部は居間だろうか。
車での移動がほとんどで、僕が運転手をしていたんだけど、
助手席に座っていた美術家の彦坂尚嘉さんの話がほんとに面白かった。
色んな話をしていただいたけど、すごく腑に落ちたのが、
「一流」と「それ以外」との違い。
一流のもの(芸術でも企業でも言葉でもなんでも)は、一流の人間から生まれる。
一流の人間っていうのは、
「社会的観念とは別の軸で独自に醸成された個人の思想・歴史」を持った人。
ていうお話。
社会的観念の外に出るのはとても難しい。
だって、社会の教育を受けて、社会の中で生活して、社会の恩恵を受けて生きてるわけだから。
個性は誰にでもあるものだけど、それを思想や哲学のレベルまで引き上げて、
さらに蓄積・醸成を続けること。
こうして初めて、いわゆる「いいもの」をつくることができる、という話。
ただ、面白いのが、ここで技術や経験が必ずしも重要ではない、ってこと。
彦坂さんも以前、ある女の子(ぜんぜん芸術畑じゃない人)の人間的な面白さに目を付けて、
少し絵を教えて描かせたら、すばらしい絵ができあがったらしい。
つまり、内容は手段があれば外に出る(表現される)けども、
表現されなくてもその人の中に存在はするということ。
彦坂さんの芸術についての言説はとても面白いので、
興味のある方はブログを読んでみるといいと思います。
うわ。すっごい長くなった。
まあそんな感じで、すごく濃い2日間でした。
もう一週間前の話になっちゃったけど。
最近は分かるようになったよ。
なんかね、画廊の人のお話を聞いて、
彦坂さんが言ってることが良くわかったんだ。
彦坂さんはアーティストなのでなかなか言葉が難しいこともあるけど、
画商は、アーティストの作品を買う人なので、
意味を分かりやすく解説してもらった。
あと、デザインをする人のポイントも。
言葉はとっても大切なものらしいよ。
表現したいものを的確に言葉と
すでに社会化されたもので伝えられるように
訓練しなさいといわれたよ。
日記とかは良いかもね。
その日に感動したものを言葉で表現して
さらに自分のその感情をぴったり示す絵とか本とかで客観的に見る。
例えば、感動したものを表象する絵を描くと
それを説明するための言葉がどうしても必要になるし、
絵だけで相手に共感を求めることはフツウの人では難しくて
言葉を聞いて初めて共感するからだって。
なんで日記を勧めてみたかって言うと、
浅葉克己さんの日記をみると、この画商さんが言っていたことに
当てはまる(しているな)と思ったし、忘れたけど、
こうやって訓練すると楽しいかなって思ったんだ。