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2009年の終盤はいくつかのプロジェクトが重なっていて、
ブログで紹介できないまま年が明けてしまいました。
この竹のフォリーもその一つ。
ここで告知したプロジェクトです。
地震応答実験棟を訪れる人のアイストップとして、
ちょっとした休憩所として、
そして、構造材としての竹の可能性の模索として、つくりました。
構造は張弦梁の形式を応用していて、
弓なりになった竹の復元力が全体を構成しています。
原理的には、棟はロープ一本でOK(引張りのみ負担)で、
柱なしで自立し、いくらでも長く繋げていくことができます。
制作にあてた時間は2日間。
そのプロセスをご紹介。
竹を適当な幅に割ります。
採取も自分たちで行いました。
モックアップで大きさや構法の確認。
上に「原理的に」と書いたけど、用いるのは自然素材。
往々にして、机上の原理を外れて現場でモノに触れながら進めることになります。
中に設置するベンチを制作しています。
座面は半割の竹をシュロ縄で編んで繋いでいます。
ベンチの脚は版築ブロック。
版築は砂と石灰を混ぜて突き固めたもので、コンクリートの原型です。
法隆寺や龍安寺の塀などは、版築でできています。
両端に仮設のやぐらを建て、そこに棟のロープをかけます。
このロープにしならせた竹を緊結すると、竹の復元力でテンションがかかり、
棟木として機能するというわけです。
形を安定させるために、棟に竹を一本入れ、
シュロ縄で竹の形状を調整しています。
少し見づらいですが、解体後の写真。
たったこれだけの材料で、全体を構成しています。
一般の建築物の柱のように、断面積で圧縮に耐える構造ではないからです。
このプロジェクトで得た大事な感触があります。
自然の素材を用いるのであれば、その素材に対して素直であること。
当たり前のことなんだけど、
これを設計段階からしっかり意識することで、設計が変わるし、
空間の作り方が変わる。
テクトニック・カルチャーという本の中で、ケネス・フランプトンが、
材料と構法と空間構成の自然な関係性を「構法の詩学」と呼んでいる。
それを実感するプロジェクトだった。
構法の詩学の部分でも、構造形式の部分でも、
このプロジェクトは今後何らかの形で育てていけそうな気がする。
何ができるかなー。
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