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前回に引き続き、本の話。
松浦弥太郎の二冊の本。
『今日もていねいに』と『日々の100』。

松浦弥太郎は、2006年から『暮しの手帖』の編集長を務めている人。
数年前にたまたま、目黒川沿いにあるcow booksという古書店に入ったことがある。
古書店らしからぬきれいな本屋で、居心地がよくて好きな空気だった記憶がある。
その古書店が、松浦さんが開いたお店だと知ったのは、この本を読んでから。

『今日もていねいに』は、エッセイ集。
毎日をていねいに過ごすコツが数編のエッセイになっていて、
これ読むと、毎日が少しゴキゲンになります。
そういう視点や感じ方が詰まった本。
『日々の100』は、ていねいな暮しをしている松浦さんお気に入りのアイテム100選。
そのアイテムにまつわるエッセイと、撮りおろしの写真。
ジャム、詩集、シャツ、靴、食器など、様々。
一つずつ大切に読み進めたい一冊。

僕は、ライフスタイルっていう言葉がどうにも好きじゃない。
好きじゃない、というか、嫌いだ。
このまえ本屋さんで「ライフスタイル」っていう”コーナー”を発見してびっくりした。
食生活やファッションに『スタイル』があるのはまだ違和感がない。
きっとそういうフィールドでは、スタイルは「楽しむもの」だから。
だけど、ライフ(=暮し)にスタイルを与えてどうするの!?と思う。
スタイルってのはそもそも、結果論、副産物であって、
時代や社会背景や或いは個人の趣味の連続が、結果的に生むもの。
取り入れたり与えたりするものではないと思う。

ここで紹介した二冊には、そういう意味で、スタイルがない。
個人的にはこれはこれでストイックさを感じるけど。
だけど単純に、「あー、ていねいに暮らしたいな。」と感じる本です。
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最近、ハイペースでいい本に出会う。
杉本博司現(うつつ)な像』。

この人は写真家だけど、あくまで表現の手段が写真なだけで、
カメラで何かを表現することを追求してるわけではない。
徹底的に誠実でまじめに世界を探究して、
それを自分の体をフィルターにして表現する意味があると感じた時にカメラを持つ。
そんな感じだと思う。
この本にはその探求の部分がメインに書かれている。
それは宗教だったり、戦争だったり、蝋人形や肖像画だったり。
ここではそれがさらに文字になり文章になっているから複雑なんだけど、
内容もさることながら一言一句、漢字の姿まで研ぎ澄まされてるような本で、
重量感がある。
きんつばやういろうみたいな、ぎっしりずっしり感。
杉本博司の写真は、
目に映らない世界のある断片(「人の営み」や「歴史」など)が、
彼を通して一つの「姿」になったもの、
そういうものなんだなと思った。
こういう風に世界を見つめながら、探求しながら、生きていきたいなと思う。

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緑化を施した東大腰原研の学生から、こんな報告が。
「庭にカルガモがいます!母カルガモに子供が6羽!」
びっくり。
だって、現場は校舎の4階。
どうやらプランターの下で産卵→孵化したらしい。
先日訪ねた際は、蝶が来ているのを見て喜んでいたんだけど、
まさかカルガモに気に入られるとは。
心配だけど、最高の賛辞です。うれしい。
粘菌(変形菌)っていう生物をご存知ですか?
すごく奇妙な生態をもってる生物です。
wiki→ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B2%98%E8%8F%8C
一時期これにはまって色々調べてたんですが、最近動画を見つけたのでご紹介。
前半は粘菌、後半はキノコです(キノコも十分すごい)。



粘菌の何がまず面白いかって、動物でも植物でもない!
微生物を捕食する動物的性質、胞子で繁殖する植物的性質。
そして、もぞもぞ移動する!
さらに、環境や成長に応じて姿を変えるんだけど、同じ生物とは思えないほどの変態!
そして、これはまだ良く把握できてないけど、
光をあてることと特定の形に変わる性質があって、「粘菌トランジスタ」の研究が行われてると。
あと、「粘菌が迷路を最短ルートで解く能力」とか。
んー、調べてると、いろいろ出てきた・・・
どうやら、粘菌の性質についての研究から、
「知能とは何か」「心とは何か」って議論にまで発展してるらしい。
CNET JAPAN→ http://japan.cnet.com/blog/it_bigbang/2007/03/22/post_ccb1/
粘菌、奥深すぎる・・・

生物の世界ってほんとに面白い。
昨年読んでびっくりするほど面白かったのが、
「生物と無生物のあいだ」って本。
たとえば、ウイルスは生物?細菌は?っていう単純な疑問が、
すごく哲学的な深い話につながっていく。
DNAが二重螺旋じゃなきゃだめな理由、蛋白質の所作、なにもかもに理由と物語がある。
生物って粋だな~、って思ってしまう。
いろんな人にオススメしたけど、ここでもオススメです。
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Wikipediaによると、限界集落とは、
「過疎化などで人口の50%以上が65歳以上の高齢者となり、
冠婚葬祭など社会的共同生活の維持が困難になった集落」
 
この本は、そんな限界集落のうちの13に作者が訪ねて綴った、
写真+ルポルタージュ。
この作者は前作では波のアップばっかりで写真集一冊作ってた人。
 
限界集落の数は国交省によると7873。
そのうち、10年以内に消滅すると予想されている集落の数は422。
いずれ消滅すると予想されている集落の数が2219。
データ上はただの数値だけど、この本眺めるとその「1集落」の重みを感じる。
畑で土耕しながら昔の思い出を語るおばあちゃんとか、
何十年も前から使ってる仕事道具とか。要は生活の歴史。
赤の他人だし、知らなければ知らないままなんだけど、
やっぱ寂しいしもったいないなー、と単純に思う。
 
こういうまちはたいてい自治体が、町おこしや村おこしをしてるけど、
絶対的に若者がいなかったり財力や資源がなかったり、というのが現状。
つまり時代や生活の変化にしがみついて何とか・・・ってなってしまう。
むかし内藤廣氏が、まちや村の一生を人の一生になぞらえて、
「安楽死も一つの選択肢」とどこかに書いてた。
明るく消えていけるんならその方がいいんだろうな、と、この本を読んで思った。  
 
 

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久しぶりに買った写真集。
Manufactured Landscapes: The Photographs of Edward Burtynsky 」
この人がどんな写真を撮ってるか、一言で説明すると、
<人間の強力な活動によって生まれた風景>。
たとえば、アフリカの採石場。産業廃棄物処理場。中国のアイロン工場。タンカーの解体場。
で、それを、「ほら、きれいでしょ!」でも「環境破壊やめなさい!」って訴えるでもなく、
淡々とニュートラルなスタンスでありのままを撮ってる。
ただ、その写真のインパクトがすごい。
病的にきれいな川や、幾何学的に掘削された山や、巨大な船の墓場で暮らす子供など。
バーティンスキーがそういった風景をフレーミングすることで、
地球に対する暴挙だとか経済発展の歪みだとかの、昨今ありきたりなテーマが、
鼻につくメッセージ性を通り越して、ガツンとくる。

最近、この写真集と同タイトルで、邦題「いまここにある風景」っていう映画が上映されてます。
この映画の舞台になってるのは、中国の経済発展。
何百人もの黄色い作業服の工員が巨大な工場の敷地内にずらっと整列する写真、
フライヤーを見た人いるんじゃないでしょうか。
予告編だけでものすごいインパクトでした。
 

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プロフィール
HN:
寺崎 悠真
年齢:
46
性別:
男性
誕生日:
1978/08/03
職業:
建築設計監理
趣味:
散歩
自己紹介:
一級建築士
寺崎悠真一級建築士事務所 代表
NPO地域再創生プログラム会員
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