忍者ブログ

196  195  194  193  192  191  190  189  188  187  186 
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

前回に引き続き、先日竣工した「かわにしの家」のご紹介。

大きなリビングの天井を見上げると、
ベイマツの骨組みが中と外の境界を貫いています。
a013.jpg

むこう側には、三角形の大きなテラスが広がります。
直径10cmほどの鉄骨の丸柱が一本、そっと大屋根を支えています。
棟に走る梁と屋根先端の梁は、木で鉄板をサンドイッチしたもの。
そうすることでたわみを抑え、柱の少ない空間としました。
a014.jpg

反対側の景色。
壁に設けられた木の枠はベンチ。
リビングとテラスの境は窓を開けることで繋がり、一つの大きな空間になります。
a015.jpg

テラスの外は畑。ハナモモの花がまだうっすら残っています。
この畑には、施設利用者はもちろん、地域の方々も遊びにきます。
このあたりで長く生活してきたお年寄りにとって、
田畑、草木、鳥、虫、空は体にしみこんでいるものです。
そんな風景や時間と繋がるような建物の在り方を考えました。
a017a.jpg

施設がプレオープンして利用者の方が初めてこの建物に来られたとき、自然にテラスに腰掛け、
スタッフの方がお茶を持ってそっと隣に座られました。
この時、「あー、いい場所をつくることができたかな」と実感しました。
a019a.jpg

一方リビングのテラスと反対側、南側には縁側が延びています。
テラスの側とはまた違った、はっきりと明るい光が入ってきます。
開口部の高さは抑えつつ、庇を室内まで貫通させることで間接光にして光を導いています。
この飾り棚のような一枚の板が天井に陰をつくり、
ここは南側でありながらしっとりとした場所になっています。
a011.jpg

縁側の向こうには庭が広がっています。
畑〜テラス〜リビング〜縁側〜庭、と一体となった空間、
風と光と人が、活き活きと且つ穏やかに行き来する。
その流れに対して程よい距離感で接続する個室群。
全部を一つの建築として柔らかくまとめる大屋根。
福井市郊外、山と川と街が溶け合っている風景の中で、
地域のお年寄りが暮らす場所、
そのあるべき形を考えていくと、こういう建築ができました。

IMG_3373-2.jpg
PR
この記事にコメントする
Name
Title
Color
Mail
URL
Comment
Pass Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
忍者ブログ | [PR]

プロフィール
HN:
寺崎 悠真
年齢:
46
性別:
男性
誕生日:
1978/08/03
職業:
建築設計監理
趣味:
散歩
自己紹介:
一級建築士
寺崎悠真一級建築士事務所 代表
NPO地域再創生プログラム会員
フリーエリア
カレンダー
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新CM
[01/12 テラサキ]
[01/12 koha*]
[11/10 テラサキ]
[11/08 itsu]
[09/12 テラサキ]
[09/10 対策室O]
[07/05 dmon]
[07/04 テラサキ]
[07/04 dmon]
[03/02 テラサキ]
最新TB
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
BOT CHECKER
Yahoo!ボットチェッカー
Googleボットチェッカー
MSNボットチェッカー
other
フィードメーター - テラブログ hit counters

TAB button
人気ブログランキングへ